年をとるほど賢くなる脳の習慣
スキルアップ

年をとるほど賢くなる 脳の習慣 書評

効能

あなたの潜在能力を引き出します

こんな人にオススメ

ついつい年を言い訳にしてしまう中年以降の方

輝け中年の星

なんだか最近、物覚えがわるい。この人、前にも会ったことがあるのに、名前が出てこない。スマートフォンや財布、定期入れなど、生活に必要なモノを頻繁になくしてしまう。
中年に差し掛かった、もしくは高齢の方には思い当たるふしがあるのではないでしょうか。
そして、「あぁ、なんでこんな簡単なことも忘れてしまったんだ。やはり若い頃とは違うな。」と諦めている方が多いのではないかと思います。
私はそんなことないな〜、という若い方、あなたもいずれ通る道ですよ。
「子供叱るな来た道だもの、年寄り笑うな行く道だもの、来た道行く道二人旅、これから通る今日の道、通り直しのできぬ道」
昔の人はうまいことを言ったもんです。
ただ、年をとるというのは脳にとってわるいことではないんです。
確かに、若い頃に比べてワーキングメモリが減ったように感じ、忘れ物や短い単語の暗記、もしくはとっさの判断なんかも落ちたな〜と感じている方も多いと思います。
ただし、複雑な因果関係が絡み合った問題や、事象が刻々と変わる状況、環境においては、驚くなかれ、若い脳より中年の脳が非常に高機能に働くのです。

脳の力は中年期に頂点に達する

この数年間に、実際、研究者は中年脳についてさまざまな発見をしています。悪い習慣があったとしても、脳は中年期にその能力の頂点に達し、長い間その頂点を維持することが分かりました。
中年期は人生の方向を定める助けとなり、中年脳のおかげで混沌の中から解決策を見出し、無視すべき人物や事柄を見定め、障害物を避けるように左右に曲がるタイミングがわかるのです。

年をとるほど賢くなる 脳の習慣

そう、あきらめるのはまだ早いのです。中年のあなたの脳は、今まさに、黄金期を迎えようとしているのです。複雑な事象を解決できる脳にとって、多少の物忘れ、名前忘れなんかはどうでもよいのです。
鍵なんかなくても大事な人が家にいれば帰れますし、名前を忘れてしまうような人はもともと縁がなかったと諦めてしまえばいいんです。
この広い地球で、たった一つのこと、名前が思い出せないくらい、大したことじゃありません。

脳はじゃじゃ馬!?

若ければ若いほどよい。これは体力や身体の健康を考えたときに、皆さんが当然のように考えることです。そして、脳もまた一つの体の器官ですから、若いほうがよいと考える方も多いと思います。
実際、いくつかの脳機能においては、若年層が高い数値を出すものもあります。
ただし、脳の構造は非常に複雑なものとなっており、また、様々な経験、体験を通じて、絶えず変化を起こしている器官となっています。
そのため、若い時はじゃじゃ馬の如く、色々な処理、必要ない処理、無駄な処理も高速に行われてしまっています。
ゆえに、無駄な思考を繰り返し、複雑な問題や人間関係構築に上手く取り組めない場面も多く存在します。
そして、格好良く言えば熟成されたワイン、普通に言えば発酵した納豆のように、中年の脳は味わい深くその真価を発揮していきます。
本書は専門的な脳科学の説明も多く含まれており、若年層と中年層の脳の使い方が全く異なるものになる、という驚愕の検証結果を紹介しています。

若者の脳は予測どおりに、最初に単語を覚える(「コード化する」と呼ばれる)ときに前頭葉の左側だけを使い、その記憶を取り出すときには前頭葉の右側に切り替えました。
これは定着したパターンです。この複雑な課題に、若者は脳の片側だけを使います。
しかし、年長者ではこのパターンがまったく当てはまりませんでした。新しい方法で脳を使っていたのです。最初に単語の記憶を形成する際は、前頭葉の左側をあまり使っていませんでした。
さらにそれだけでなく、単語を思い出すという難しい課題を行うのに、右と左の両側を使って課題を進めていたのです。

年をとるほど賢くなる 脳の習慣

なんと、驚いたことに、中年層の脳は、若い時とは異なったやり方で脳を運用していたのです。
そして、この脳を右も左も関係なくフル活用する例は、機能が高い多くの脳でも起こることを見出したとのことです。中年、侮りがたし、ですね。

年をとるほど賢くなる 脳の習慣 感想・レビュー

中年以降の男性、女性にとっては、非常に勇気が湧く内容になっているのではないでしょうか。
この本を読むことで、あなたの中の強い思い込みが少しでもなくなれば、非常に喜ばしいことだと考えています。
あなたは足に鎖を繋がれた象の話を知っているでしょうか? サーカスなどで演技をしている象は非常に小さい頃から強固な鎖で足を結ばれています。
小さい体ではとても引きちぎれない鎖ですが、大人となって鎖が小さくなっても、象は決して逃げ出すことはないようです。
それは、小さい頃に思い込まされた「この鎖は絶対に引きちぎれない」という強い思い込みが、大人になった後も残っているからとのことです。
人間も動物ですから、この強い思い込みでせっかくの能力を引き出せていない場面も多くあるのです。
まさに、中年における脳の機能がそれにあたり、若い人とは違う能力を持っていることに、もっと自信を持ってよいのです。
読書には、このような有益な研究を数千円で学ぶことができ、その後の自分の人生を切り開く力があると思っています。
あなたも是非、中年脳の底力を確かめるために、また、どうやったらイケてる中年脳になるか、本書を手にとって確認してみてください。



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