blackmarketing
マーケティング

ブラックマーケティング 書評

効能

ゲームの課金額が少し抑えられます

こんな人にオススメ

限定商品!についつい興味がそそられてしまう方

怖すぎるブラックマーケティング

年末も近づいてきた今日このごろ、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
この時期になると年末最後の大売り出し! 赤字覚悟の在庫セール! 皆さんに出玉で還元! 限定商品も残りわずか! 皆さんのご愛顧に感謝して、最後の閉店セール! など、年末商戦が盛んになってきますね。
もちろん、在庫は潤沢にありますし、限定商品も時期をおいて再販されますし、出玉は全く還元されませんし、閉店セールも年中やっています(笑) いつになったら潰れるねん、というお店もありますよね(笑)
ただ、お祭り気分と言いますか、おめでたい空気に押されて、ついつい色々なモノを買ってしまうときもありますよね。
で、家に帰ってしばらくすると、「あれ、これって何で買ったんだっけ。あんまり使わないな」となってしまう場合もあるのではないでしょうか。私なんかは四半期に一回は経験しています。
こういった消費活動はあなたの我慢がきかなかったり、あなたに浪費家の癖がある、という要因ではなく、巧妙に仕組まれた「ブラックマーケティング」が原因であるかもしれないのです。

必ずしも個人の脳がまわりの環境や周囲の個体の意図とは独立に考えた選択や判断であるとは限らないのです。
何らかの要因を受けて、「それが必要である」と脳が考えさせられた末の行動であるのかもしれないのです。
というより、現代社会におけるヒトの行動のほとんどは、「誰かが仕掛けた意図に左右されている」といった方が正しいといえるでしょう。

ブラックマーケティング

なるほど。明日から買い物に出かけるのが怖くなる文章ですね。
本書ではこれまであまり語られることのなかった、黒い、裏技的な、ブラックなマーケティング手法をいくつか紹介しています。
マーケティングも一つの学問、技術と認知されるようになり、様々な切り口でその手法が語られていますが、あくまで表側、言ってしまえば優等生キャラの側面しか研究されていない、と著書は語っています。
ただ、マーケティングの目的は消費活動の促進ですから、どうしても生々しい実情やビジネスの側面が入ってくるはず。
従来のマーケティングはこういった負の側面は取り扱っていない、と言及しています。
また、科学的根拠に乏しい手法も散見されるため、マーケティング手法のよくある誤解を少なくするために、脳科学の研究者も交え、最新のマーケティング手法が語られています。

ブームに乗るのは脳の「省エネ」

たまごっち、ポケモン、ヤマンバギャル、半沢直樹、タピオカ。
あなたも一つくらいはハマッたブームがあるのではないでしょうか。こういったブーム、潮流、流行に、我々はなぜ、何度もハマってしまうのでしょうか。
皆さんは脳がどの程度高速で動いて、どの程度の情報を処理しているかご存知でしょうか。
とある一説では毎秒、2000万回の処理(特に目から入ってくる映像データの処理)を行っているとのことです。
ただし、この全てを脳に上げるわけではなく(全てを上げてしまっては、簡単にオーバフローになってしまうため)、およそ98%の情報は削ぎ落とされて処理されます。
脳は入力されるべきほとんどの情報を捨ててしまっているわけです。
言い換えてしまえば脳はかなり、怠けることや手を抜くことが大好きなんです。目や神経、感覚器官から送られてくる情報は膨大ですが、その全ての情報が生存に欠かせない情報ではありません。
なので、適当に手を抜いていないとすぐに疲れちゃうんです。そして、世にあるブームの出現はこのような脳の機能によるところが大きいのです。

見ず知らずの他人に選択を委ねるわけ

これは大多数の人が同じ物事を支持している、とひとたび認知されると、私達は深く考えることをスキップして周囲と同じ行動を取ってしまう傾向があります。

ブラックマーケティング

ただでさえ多忙な現代人において、溢れる情報からいちいち取捨選択していたら疲れちゃいますよね。
「なんかよくわからないけど、皆が良いと言っているし、大丈夫なんだろ」という安易な気持ちでモノやサービスを買ってしまうこともあると思います。
これと同じ心理をついて、口コミや星マークでのレビューも活用されている事例もあると思います。
インターネットでは膨大な量の情報がすぐに調べられますから、本来であれば色々な情報を吟味してモノやサービスを買うべきなんです。
ただ、途中で面倒になったり、何が正解か、分からなくなってしまうときがありますよね。
そんな時に、口コミや評判、レビューがいいものをついつい選んでしまう傾向があなたにもあるのではないでしょうか。

ブラックマーケティング 感想・レビュー

脳科学の観点から見たマーケティング、という非常に面白い内容の本となっています。
ブラックマーケティングというと言葉が悪いですが、色々な人があの手この手を使って販促をしていると思うと、素直に感心してしまうこともあります。
ただし、何も知らずに生活をしていると、自分が知らないうちにモノやサービスを買ってしまっていることもあるので、非常に気をつけなければいけないな、という自戒のためにもなる本です。
個人的には、こういった王道ではないことを知るのも本の良いところだと思っています。
自戒の意味も込めて、他人がどのようにマーケティングを仕掛けてくるのか、興味がある方は是非とも本書を手にとってみてください。
果たして、私がブラックマーケティングを仕掛けているのか否か?
本書を読めば興味深い考察が得られるかもしれません。



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