THE TEAMの説明図。本書ではチーム作りの最適解を提供しています。
スキルアップ

THE TEAM 5つの法則 書評

効能

スクラムが組みたくなります

こんな人にオススメ

次のラグビーワールドカップでベスト4の壁を打ち破りたい方

チームを科学する

ビクトリ〜ロ〜ド〜 このみ〜ちぃ〜 ずぅ〜っと〜 いけば〜 最後に〜は〜 かならず〜 笑える〜日が〜くるのさぁ〜 ビクトリ〜ロ〜ド〜
ラグビーワールドカップ2019は非常に興奮しましたね。多様性、ハードな練習、人種の垣根を超えたメンバー構成、外国人監督の招聘など、日本チームが史上初めてベスト8まで行けたのは多くの要因があったと思います。
その中で、「ONE TEAM」というテーマでチームを一つにまとめあげたジョセフ日本代表ラグビー監督の手腕は見事だったのではないでしょうか。
そして、選ばれたメンバーも口々にチームの結束力の高さ、まとまることの大切さを説いています。 一人ではなく、チームとして機能することで、これまで以上のパフォーマンスを発揮できたのです。
そんなラグビー日本代表のようなチームに憧れを抱いた方も多いのではないでしょうか。 できれば、チームのみんなと強固なスクラムを組んで、次の大会ではベスト4の壁を打ち破りたいですよね?
でも、どうやったら南アフリカのような強豪に勝てるか分からないですよね?
そんなあなたに朗報です。
本書ではチームとしてのパフォーマンスを最大限にする秘訣が多く書かれています。
本書の冒頭で著者はチーム力の大事さを語っています。

人間が1人でできることは限られています。この世に存在するすべての人間が、他社と協調することで「自分1人では達成できない何か」に取り組んでいます。「チーム」はビジネスパーソンは勿論、登校班で学校に行く小学生からゲートボール部で活動する高齢者まで、老若男女誰しもが関わるものです。

そして、強いチームを構築する最適解はあると著者は力強く語っています。
いわば、チームをきちんと科学し、再現性が高い手法で強固なチームを作り上げることを本書の目的としているのです。
これで登校するときも一安心ですね。もしくは本書を活用して、地域最強のゲートボールチームを築いていくこともできます。

最強チーム構築の秘訣とは?

本書はAim(目標設定)、Boarding(人員選定)、Communication(意思疎通)、Decision(意思決定)、Engagement(共感想像)の5つのカテゴリに分け、最強のチーム作りに欠かせないメソッドを紹介しています。
今気付いたんですが、5つの構成の頭文字ってABCDEになっているんですね。すごい。
詳細は本書を読んで確認していただきたいのですが、特にわたしの印象に残ったメソッドを以下にご紹介しますね。
それはDecision(意思決定)の構成で語られているものとなります。

チームのパフォーマンスはメンバーの活動の積み重ね以上に、要所要所でのチームとしての意思決定で決まります。
もしあなたのチームが意思決定という行為を軽んじているのであれば、チームは間違った方向へと進んでいってしまうでしょう。まず、どのような方法で意思決定するかを意思決定する。 リーダーはメンバーの反発を恐れずに大胆に決断する。 そして、自分たちのチームの決断を、メンバー全員で正解にしていく。

THE TEAM 5つの法則

この、「自分たちのチームの決断を、メンバー全員で正解にしていく」って最高にカッコよくないですか?
私は明日から使うことを固く心に誓いました。
「正しい道を選択するのが人生ではない。選んだ道を正解にさせるのが人生だ」みたいな。
この言葉もカッコよくないですか? どこで読んだか忘れてしまったので、私が考えたことにさせてください。
「メンバー全員で正解にしていく。」 
この発想を得るだけでも、この本を買う価値はありましたね。
グローバリゼーションやIT化が急速に進む昨今、有効なビジネスモデルのライフサイクルがどんどんと短くなり、多種多様な選択肢から最適解を迅速に見つけることを強く要求されることが多くなったと思います。
その中で、会社も、リーダーも、メンバーも、何が正解かなんて誰も分かっちゃいないんです。
でも、結果を出して食べていかなきゃいけない。だったら、チームメンバーで選択した道を正解にできるように頑張っていこうよ。
そんな、熱い想いを感じることができました。
そして、著者はチームの活動を支えるモチベーションに関しても、多くのページを割いて力説していました。

どんなに素晴らしいゴール設定ができたとしても、どんなに素晴らしいルール設計ができたとしても、それらを動かしていくのはメンバーであり、メンバーのモチベーションです。
かつてはお金がモチベーションの源泉になっていることが多かったため、多くのチームはそこまでモチベーションについて考える必要はありませんでした。パフォーマンスが上がれば、お金を払うという単純な構図が成り立っていたからです。
しかし、社会全体が豊かになり、お金だけではメンバーが動かなくなることも増えてきました。にもかかわらず、多くのチームにおいて、モチベーションやエンゲージメントは適切にマネジメントされていません。

THE TEAM 5つの法則

いや、お金欲しいんだけど。 と思ったあなた。 私もです。
ただ、以前と異なり、インターネットの発展により手軽に読み放題、借り放題、観放題のサービスを享受することができる現代においては、中途半端なお金はモチベーションの燃料にはならなくなっているのかもしれません。
現に、似たような記述は以前にご紹介したNEWTYPEでも記載がありました。

このモノが溢れる現代において、本当のモチベーションになりえるのは何なのか。
チームを束ねるリーダーの素質が問われる時代になってきたのかもしれません。

THE TEAM 5つの法則 感想・レビュー

現代の組織、チームに必要とされる要素を分かりやすく説明した本書は、30代、40代のビジネス・パーソンには非常に有益なものになるのではないでしょうか。
また、これから何かのチームをビルドしていきたいと考えている若い方も、是非とも本書を読んでみてください。きっと、未来のあなたへの良い投資になると思います。

限界なんかない。壁はぶち壊せ。チームでさらなる高みへ。

すいません、本書を読んだばかりなので、ついつい暑苦しいフレーズを使ってしまいました。
みなさんも本書を読んで、自分の中のベスト4の壁を打ち破ってください。(ドヤァ)