エッセンシャル思考の画像。人生をより良くするライフハックを数多く紹介している。本当に必要なものは限られている。その必要なものに、限りある資源を投入するべきという著者の切実な訴えが説明されている。
スキルアップ

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする 書評

効能

断捨離したくなります

こんな人にオススメ

色々なことに興味はあるのだけど、これといって成果が出せていない方

読んだ後はドッグイヤーだらけ 夢を追いかけるあなたにダントツでおすすめ

数あるビジネス本、自己啓発本、ライフハック本の中でも、本書はダントツにおすすめできるものになっています。
中途半端なビジネス本なんかは読まずとも大丈夫です。本書だけで事足ります。
それくらい、物事、ビジネス、そして生き方の本質を突いた内容が書かれています。
ITや通信機器の発達により、我々はいつでもどこでもあらゆる情報にアクセスできる、個人と個人で簡単に連絡ができるようになりました。
目の前には膨大な選択肢が生まれ、その選択肢の中で埋もれることを余儀なくされています。
でも、我々の生活は本当に豊かになっているのでしょうか?
20年前と比較した場合、変わったのはパソコンとスマートフォンくらいではないでしょうか?
その他に、我々の生活を劇的に変化させたものはあるのでしょうか。
そして、幸福に結びつく生き方の選択肢は、過去と比べて増えたのでしょか。

日本経済の観点ではどうでしょう。
20年前と比較し、時価総額ランキングでTOP50に入っている日本企業は極端に少なくなりました。そして、平均年収も横ばい、もしくは減少傾向が続いています。

おかしい。
働くためのツールは進化しているのに、生産性もGDPも横ばいが続いているのです。
少子化が延々と続き、毎年3万人の方が鬱による自殺をしています。

日本は何かがおかしいんです。

無駄な会議、社内政治、不正会計。
成熟した社会に突入した日本社会は、意味のない、本質を突いていない仕事が極端に増えたのです。
こんな社会にあなたの生き方を合わせる必要はありません。
本当に必要なものを、必要なだけ、必要なときに取り組めばよいのです。
本書では人生に必要なものを見極め、その本質に関わるものだけに取り組む思考法を「エッセンシャル思考」と称しています。

エッセンシャル思考の人は、流されない。たくさんの瑣末なものごとのなかから、少数の本質的なことだけを選びとる。不要なものはすべて捨て、歩みを妨げるものもすべて取り除いていく。
要するにエッセンシャル思考とは、自分の力を最大限の成果につなげるためのシステマティックな方法である。やるべきことを正確に選び、それをスムーズにやりとげるための効果的な仕組みなのだ。

エッセンシャル思考

断捨離、こんまりメソッドなんかは記憶に新しいですが、増えすぎたモノ、コト、サービスをいかに絞るか。ビジネスだけでなく、我々の生き方そのものが問われる時代になったのです。

その肩パッド入りジャケット、本当に必要ですか?

あの頃尖っていた私。
お気に入りのブーツをかまし、黒Tに無骨な肩パッド入りジャケットをキメていた時代もありました。
今見ると完全に北斗の拳ですが、当時はかなりイカすファッションだったのでしょう。
世紀末待ったなし。アベシ!
そんな青春時代の思い出の品のように、仕事のルーティンや人間関係、業務をいつまでも溜め込んでいませんか?

ほんとうに、それ、必要なんでしょうか?

仕事において、やることを増やすことは本当に簡単です。
「これ、顧客が求めてるっぽいな。追加しよう。」
「なぜこの作業をやるのか誰もわからないけど、きっと必要なんだろう。」
「この作業をやらせておけばとりあえずはよいか。部下に指示しよう。」
こんな低次元のマネジメントが日本社会では大企業、中小企業問わず、隅々まで染み渡っています。
こうして、大して美味しくない秘伝のタレのような仕事が後世まで残り、人が代わり、時代が変わり、ビジネスが変わった後も、クソ仕事は残ったままとなるのです。
もしあなたがそんな働き方、生き方に辟易としているならば、会社を変えるか、会社を作っちゃいましょう。
人間、やってできないことはないです。
本書でも、エッセンシャル思考の肝となる一節の詩が紹介されていました。

メアリー・オリバーの有名な詩の一節を引用しよう。
「教えて下さい。あなたは何をするのですか/その激しくかけがえのない一度きりの人生で」

エッセンシャル思考

そう、自分の人生ですから。
悔いのない選択をするべきなんです。
家族?仲間?同僚?
あなたが本当にやりたいこと、必要だと思うことに反対するやつは全無視でOKです。
例え家族でも。
あなたは一人だけなんですから。

感想・レビュー

ものごとの本質を見抜き、自分の人生にとって本当に必要なものを実行していくエッセンシャル思考は、多忙を極める全ビジネスマン、ウーマンにおすすめです。
あなたの周りにもいませんか?
忙しい、忙しいと年中ボヤいている人が。でも、本当にその仕事って必要なんでしょうか?
これから変わりたい、という人にはかなり心に突き刺さる内容となっていますが、普段、何も考えずに仕事をしている人にとっては、違う意味で心に突き刺さるものがあるのではないでしょうか。
本書でも紹介されていますが、ソクラテスは
「多忙な生活の不毛さに気をつけよ」
という啓示をしていたようです。どうやら紀元前も前から人間は、不要なものに振り回されていたようです。
自分にとって何が本当に大切か、人生を見直すきっかけになるかもしれません。
是非とも本書を手にとってみてください。
肩パッド入りのジャケットは必要ですが、それ以外は不要だと気付かされるはずです。





P.S
あまり本とは関係ないんですが、今の職場ではエッセンシャル思考を実践できない、という方は転職市場も見てみてください。 私自身も転職組ですが、今までとは違う価値観に触れることができる可能性もありますので。